60歳からの自分いじり

恥の多い生涯を送って来ましたが、何か?

卒業式(小春日和だった頃)

来週から忙しくなりそうなので、土日はできるだけ子供たちと過ごす。その間


淡谷のり子『わが放浪記』日本図書センター、1997
大竹省二『遥かなる鏡』東京新聞出版社、1998
原克『サラリーマン誕生物語』講談社、2011
山崎孝史『政治・空間・場所』ナカニシヤ出版、2010
石田衣良『シューカツ!』文春文庫、2011


職業柄読んでみた『シューカツ!』。
IWGPほどの衝迫力はないが、今を見すえて読ませる小説を書く技量は健在。
ただ、早稲田の学生に集中的に取材したのだろうか、
ポテンシャルの高い学生たちが、意欲的に動いて就活成功させた譚、
という印象が残る。就活エリート日記?みたいな。
リアリティやら普遍性だと、数年前のリクナビのCM
「山田悠子の就活日記」だったかの方に、軍配が上がるように思う。
でも、一般的ではないにせよ、就活ってどんなものかは理解しやすい本だと思う。
少なくとも小説中でけなされていた、内容空疎な就活マニュアル本の類に比べれば
はるかにお役立ち本。あと、やっぱり2008年10月に刊行された本だなぁ、
という感が強い。当時はいわば、氷河期中の小春日和期。
現在の日本経済どうなっちゃうんだろう期からみると、パラダイスに思える。
08年春卒の代のゼミ生たち(八代目)のことを思い返しても
芸能活動4、教職志望1、カメラやグラフィックソフトいじるの大好き1は
定職につく道を進まなかったが、あとは


朝日広告社
NTN
NTT西日本
NTT西日本
大分ケーブルテレビ
オービック
近鉄エクスプレス
クリーク&リヴァー(人材派遣)
集英社(編集)
スプーン(CM制作)
清和産業(専門商社)
ディップ(求人求職情報)
電通
東北新社(CM企画)
野村證券
毎日新聞社(広告営業)
マガジンハウス
三井住友銀行
読売テレビ
リクルート
リクルート


語学研修やワーホリで5年いた一つ上の代の子も、この春
日立製作所
リクルート
修士課程に進んだ二つ上の代の子も、この春
集英社(営業)


フリーランサーズも、在学中から活躍していた双子たちやら
その他タレント組もけっこう大きな事務所入って、活躍中のよう。
この代の子の結婚式に出る予定なので、またいろいろ近況わかるかなぁ。
ともかく抜群の身の振り方当たり年だったように思う。
でも、広告業界などマスコミ関連に進んだ人たちにとって
今般のACラッシュは、痛いんだろうなぁ、とも思う。
ジャパンACといえば、民放連あたりが音頭をとって
かつての公共広告機構時代の名作などを
流すことはできないものだろうか。桂米朝アイバンクとか、
車椅子で街に出てみました王貞治とか、名作はいくらでもあるだろうに。
もちろん、お問い合わせ先などは現状に合わせて差し替えて、ということで。
出演者や制作者たちも、こんな事態なので快く協力してくれると思うのだが。
というか、公共広告機構は出演者もボランティアみたいなもんだった。
会社員だった頃、野茂投手に献血促進を呼びかけてもらう仕事に関ったことがある。
新人王をとった翌年だろうか、今はなき藤井寺球場での撮影だった。
簡単な打ち合わせをさせていただいた際に
新日鉄堺時代は某所の独身寮にいらっしゃったんですよね。私もあの近くに住んでました」
と余計なことをいった記憶がある。小春日和どころではなく、バブルの太陽サンサン期。


そのとき書いたキャッチフレーズが、


「野茂は
 やります。」


本人としてはけっこう好きだったけど、誰からも評価されず〜