60歳からの自分いじり

恥の多い生涯を送って来ましたが、何か?

チャペルアワーのすすめ3



写真は何の脈絡もなく、10数年前、イギリス湖水地方ウィンダミアに行った思い出。
以下、当初は3日間、別の話をしようかとか考えていたので。


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 入学式の後の宣誓式で、私はここ一年、チャペルアワーにできるだけ出席し、聖書をめくってみるようにしているという話をしました。
 旧約聖書の方にはいろいろ不思議な話がのっていますし、新約の方のことばは、一つ一つが意味深で、いろいろ考えさせられるフレーズが多々あります。こういうことじゃないかと、いろいろ語ってみたくもなりますが、やはり怪我しそうなので、やめときます。宣誓式の式辞では、CDの歌詞カードに逃げましたが、今回も要は、ぼくのりりっくのぼうよみは、すごいんじゃないかという話です。
 先週から始まった、SRサイタマノラッパーというドラマをみたという人、いますか。たぶん、いませんよね。
 金曜深夜にテレビ大阪でやっているドラマです。これはもともとサイタマノラッパーという映画シリーズがあって、そこから派生したドラマです。映画3作あるんですが、どれかみたことあるって人いますか。いませんよね。
 その名の通り、埼玉郊外にすむラッパーのイックとトムというコンビの話なのですが、映画の第1作は埼玉が舞台で、2作目は群馬、3作目は栃木が舞台です。1作目は2009年公開なので、もう8年前になります。映画サイタマノラッパーでは二人は北関東をうろうろしてたのですが、今度のドラマは「マイクの細道」という副題がついていることからわかるように、青森に二人がいくところから話が転がり始めています。
 そのテレビドラマの方では、イックはあいかわらずフリーターです。ラップも最近はやっていません。ところが川崎のクラブから、出演の依頼がありました。34歳になり、落ち着きたがっているトムを無理やり引っ張りだし、かつては3人目のメンバーだったマイティを探す旅に誘い出します。強引にヒップホップの世界に連れ戻そうとするわけです。トムもなんだかんだ言いながら、つねにイックに巻き込まれていきます。太ったイックと、痩せたトム。いいコンビです。弥次さん喜多さんというか、ラッパー諸国漫遊記みたいな感じです。
 で、このドラマのエンディングテーマを、ぼくのりりっくのぼうよみが担当しています。曲名は「つきとさなぎ」というらしいですが、まだ発売はされてないようです。で、その一節に


あきらめたはずなのに いつも捨てられないのは
残酷な可能性が ぼくを離さないから


これは泣けます。サイタマノラッパー好きな人は、まず泣きます。といってもわけわからないと思いますが、映画、まずみてください。その上で、ドラマもみてください。
 埼玉の田舎町で、周囲の白い目に耐えながらラップやっているけど、メジャーになれるタイプではない、フリースタイルで勝てるスキルもない。でも、言いたいことだけは山ほどあるので、イックは身もだえしています。トムも正業について、ラップから足を洗いたいと言いながら、スイッチが入ると、やむにやまれずリリックがほとばしります。マイティもいろいろあって刑務所に入り、出所後は故郷を捨て、青森にいます。でも、最終的には2週間後、皆、川崎のステージに立つと思います。
 立ったからって、どうなるわけじゃないです。ラップで飯食えるわけじゃない。でもマイク握って、何かをしてくれると思います。「残酷な可能性が、ぼくを離さないから」。
 ぼくのりりっくのぼうよみ、19歳でなんでこんなこと言えるんだろう。ラップにこだわってもいいことないのがわかっていながら、でもイックもトムも残酷な可能性にかけてしまいます。多分。
 で、ここからはとんでもないこといいますが、イエス・キリストは30歳くらいで洗礼を受けて、その3年後くらいに処刑されたということのようです。イックとトムと同じ年かっこうです。イエス・キリストも「残酷な可能性」から逃げられない人だったんじゃないかと思ったりします。少なくとも、行く先々でいろんなこと言って騒ぎを起こす点は、イックとトムみたいです。
 まぁ、こんな妄想を触発してくれる力が、聖書のことばにはあります。最初はちょっととっつきにくいかしれませんが、新しいことを知り、自分の世界を広げる機会として、チャペルアワーを活用してほしいと思います。これは断言しておきますが、わかりやすいもの、すぐにわかるものは、そのほとんどがどうでもいいものです。 
 以上、わけのわからないことを言いましたが、わからないこととの出会いを大切にしてください。とりわけ、関学というものを、そのベースとなっているキリスト教を、こんなことではないか少しずつでも、考え進めてほしいと思います(サイタマノラッパーもみてほしいですけど)。


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今日の予定は、スマホの機種変更と面談、夕方の会議。


田所承己・菅野博史編『つながりをリノベーションする時代』弘文堂、2016