60歳からの自分いじり

恥の多い生涯を送って来ましたが、何か?

恵投御礼


同僚の奥村先生から。独自の道を歩んだ社会学者群像。


作田・見田・吉田…。いずれも鮮やかな評伝なのだが、
個人的にもっとも「オーッ」となったのが、ロバート・ベラー。
『心の習慣』も読んだはずなのだが、
大学時代、日本近世史専攻だった私にとっては
いまだに圧倒的に『日本近代化と宗教倫理』の著者なのだ。


大学生の頃読んだ限りでは、ウェーバー・プロ倫をベースに
資本主義化に成功した日本社会の秘密を明かそうと
プロテスタンティズムの類似物を探した人、という印象。
(その答えが、石田梅岩二宮尊徳だった???)
基本的には、ウォルト・ロストウらの「近代化論」や
梅棹忠夫の生態史観みたいな…と、ざっくりと理解していた。
ゆえに、ベラーがマッカーシズムの嵐を避けて
カナダに潜んだ時期があるというエピソードは意外だったし
コミュニズムへのシンパシーを生涯抱き続けた話は刺激的だった。


温厚かつ過激な奥村先生らしい快著だと思う。


今日は大阪に出て会議。その後、登校。