60歳からの自分いじり

恥の多い生涯を送って来ましたが、何か?

教育懇談会


西宮上ヶ原キャンパスにて行われた教育懇談会での挨拶。
教育懇談会は、関学後援会(PTA的な組織)との共催による
在校生の親御さんとの懇談・交流の機会。
同様な会を、先週末には広島(路面電車王国)にて。
単車が一両編成、連接車だと二両編成。


今日はチャペル、会議、会議。チャペルは
本学ボランティア活動支援センターのヒューマン・サービス支援室が担当。
コーディネータの職員や学生から、
熊本(震災)や岡山(豪雨)などでの活動の様子の報告。

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 ただいま学部長を勤めております難波と申します。よろしくお願いいたします。本日はお足元の悪い中、お越しいただき誠にありがとうございます。
 学部教育に関しては後ほど副学部長からありますし、個別懇談を申し込まれている方は、ゼミの先生とゆっくりとお話いただく機会を設けております。なので、学業以外のことで話題をと考えますと、2・3年生の親御さんが中心と思われますので、やはり就職活動の件にふれたほうがよいかと思い、少しお話をさせていただきます。
 皆さん重々ご承知のことと存じますが、現3年生までは現在の就職協定――3月広報活動解禁、6月採用活動解禁というやつですね――は維持されるものの、現2年生からは非常に不透明な状況となっております。午前中に大学全体のプログラムに出席された方は、キャリアセンター長からも話があったかと思います。
 ただ確実にいえることは、現時点でも、就職協定はあまり効力を発揮していないという点です。外資系やいわゆるIT関連など、経団連のコントロールのきかない新興の企業群が、どんどん採用の枠を広げていますし、学生からの人気も高かったりします。就職協定を鵜呑みにして、3年生の終わりの頃から考え始めて、4年の6月から本格的に採用試験・面接を受けて回ればいいと考えていると、すでに採用の枠はほぼ埋まっていたということになりかねません。
 今私は4年生のゼミはもっていませんが、3年ゼミは担当しております。その3年のゼミ生をみていても、この夏休み前ぐらいから、インターンシップに行こうと思うのだが、そのためのエントリーシートに苦慮している、といった声が聞こえてきたりします。エントリーシートが通っても、面接ではねられて、結局インターンに参加できなかった、といった嘆きのメールがきたりもしました。
 私は月曜に3年ゼミの時間を設定しています。今週の月曜は休日でしたが授業実施日だったので、秋学期初回のゼミをやりました。ただし、世間は休日ですので、インターンの予定が入っているため、「申し訳ないですがゼミ欠席します」とのメールを何人かからもらいました。
 別に早めにバタバタすればいいものでもありませんが、3年生夏くらいから採用を見すえたインターンが始まると考えてよいと思います。学生から「インターンとか参加して意味あるんですか?」とよくたずねられますが、3年生に対しては、「誰もが参加可能なインターンは別に焦って参加する必要もないけど、インターンに参加するにも非常に高い倍率での選考があるようなインターンなら、そしてそれがちょっとでも興味の持てる業種や企業のものならば、とりあえずエントリーしなさい」と告げています。いや、本当に人気のある企業のインターンは、参加への倍率が何倍、何十倍だと考えて間違いないです。そうしたインターンシップに参加しようと選考に臨んだ際、その企業や業種に志望している数多くの学生の中で、どう自分は際立てる存在でありうるのか、3年夏の時点で考えてみるのは非常によい経験であると思います。
 もし、そうしたインターンに参加できれば、他大学の学生から刺激されることも多いでしょうし、得るものはたくさんあるでしょう。もし、参加が認められなかったとしても、本番までにどう立て直せばいいかと考える時間がもててよかった、インターンシップですら断られる自分の現状を見つめなおす機会をもててよかったと、前向きに考えてもらいたいところです。ともかく、本番に至るまでに打たれ強くなっておいてほしいと思います。現在の就職活動においては、数社、十数社、時に数十社に断られることもごく普通です。でも何社に断られようが、最終的に入るところは一つなのですから、数十の就活先に断れた末に唯一得た内定先が、本人にとって納得のいくところならそれでいいわけです。もちろん、部活や留学など、他にしっかりやることがある場合は、そちら優先で、インターンシップなどあまり焦って考える必要はないとは思いますが。でも、そうではない場合、就職を考えているのならば、ぜひインターンに早め早めにチャレンジしてほしいと思っています。
 学生たちをみていてよく思うことは、こちらからみて「地道にやってれば、いつかは行き先が決まるだろう」といった学生の方が危機感を強く持っており、ちょっとは危機感を持ったほうがよさそうな学生に限って、どうにかなるさと、根拠なく考えている傾向が強いように感じます。就職活動に関しては、そう簡単にどうにかなるものではない、という認識・自覚をどれだけ早めにもてるかもてないか、それが明暗を分けるような気がします。
 あまり、暗い話をしてもなんですが、2020年春入社どころか2019年春入社の、現3年生の採用に関しても、オリンピック後の景気の落ち込みをおりこむかたちになるのではと私は推測しています。学生優位の売り手市場は、今の4年生でもう終わりだろうと、私などは予想しています。
 しかし、就職活動をするのは学生本人なわけですから、保護者・保証人の皆さんは、温かく見守るというスタンスで接してあげていただきたい、というか、それ以外あまり関わりようがないのが就活だと思います。親御さんの出番は、あまり夜行バスばかりでの移動はしんどいから、最終面接ぐらいは新幹線でいかしてあげる、といったサポートくらいでしょうか。
 大学教員としては、これだけ就活に学生の時間と労力が割かれる現状に、いろいろ思うところはあるのですが、現時点では多くの学生にとって就職活動は、長期戦かつ消耗戦であることは確かです。繰り返しになりますが、保護者・保証人の皆さんには、温かな見守りをお願いしたいと思います。
 就活の話ばかりになってしまいましたが、以上で私の方からのご挨拶とさせていただきます。学業に関しては、副学部長にバトンタッチいたします。引き続き、懇談会のプログラムをお楽しみいただければ幸いです。