60歳からの自分いじり

恥の多い生涯を送って来ましたが、何か?

からあげの内臓

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https://sidnanba.hatenablog.com/entry/2020/05/21/224108

https://sidnanba.hatenablog.com/entry/2020/05/12/000000

などで書いたように、渋井直人新規というレアな父子なわけだが、そこから徳山大五郎に行ったために、最近改名を決めた某坂に関しては渡辺梨加一強のグループという第一印象が未だにぬけない。主役ではなかったにせよ、あの不条理劇を成立させていたのは「現場のベリカ」以外の何ものでもなかったように思う(脇の俳優陣、すごかったにせよ)。
 この間、ステイホームもあり、いろいろ某坂関連フッテージを掘っているうちに、多人数アイドルグループというフォーマットをくぐる以外に世に出る経路が非常に細いという時代状況のもと、単体でも芸能の世界でやっていける(やっていくべき)とんでもない二名が、メンバーに居たがゆえの本来的な矛盾を負ったグループだったんだなぁ、との認識も生じてきたが(いや、ごく最近まで、紅白で毎年見かけるなぁ…くらいの接点だったもので)。
 でも、その二人もすでに単体で動きだしたのだし、無観客ライブを企画・準備する中で、現有メンバーでリセット&リスタートする目処が立ったのだろう。心機一転、がんばってほしいものだ(父子ともにお金を積むことはないだろうが)。とくに、ビデオ普及以前ブラウン管育ちの父から、多人数アイドルグループへの違和感(えっ、全員視認・確認できるの?)が消えることはないだろうが。これまでの楽曲が引き継げるかは知らないけど、直近のライブを見ていて、十代にしか歌えない曲のセンターを確保できたんだなぁという感想をもった。大人メンバーが軸となるべき曲も、そのセンターを分担しあってく仕組みが垣間見えたような気がした。
 渡辺(梨)についても、その演技をもっとみてみたいと思いつつ、アイドル業(とモデル業)でまだまだ行くというなら(その先にパン屋さんを見すえているにせよ)、父子(と布教されかかっている母娘)ともども注視していきたいと思う。
 考えてみれば、短大の2年目、約50社に就職を断られた渡辺(梨)にとって、ようやく内定を得たのがアイドルグループだった。そして、就活に苦戦するような所在のなさ、行き場なさげな雰囲気こそが、「現場のベリカ」役にははまっていた。居場所の定まらない感じが、持ち味になるという稀有なキャラクターで、行けるところまで行ってほしいものだ。ブログを更新しただけで、本気感が伝わるというのもまた、唯一無二のキャラクターのなせるわざだと思う(ひょっとしたら、芸能への欲が湧くのに5年かかった人なのかもしれない)。
 渡辺(梨)だけに限った話ではない。とんでもないかつてのメンバーが原動力となって、東蛋(東京ドーム)の舞台を踏むに至った1期・2期たちも、経験をつむ中で、そうしたステージにも「板につく」段階を迎えたように思われるし、新2期もやがてそうなるんだろう。巨蛋から飛龍伝を経て、委員長が憑依したかのような演説(重大発表)をしたキャプテンなども、5年前、そんな境地に達するとは、本人含め、誰も思ってなかったんだろうし(ka行不会翻字幕組、フル稼働するんだろうなぁ)。

 新2期のブログを読んでいて、研修生のまま据え置かれ、私は要らない子なのではと思っていたが、ここに居場所を与えられた…的な文章を見かけたとき、あぁ10代から20代にかけての、こうした感じを引き受けるのは、名前変わるにせよこのグループなんだろうなぁと改めて思った。その年代特有の(ひょっとしたらこの社会自体の)不安定さ、焦燥感、脆さ・儚さ、痛々しさに共鳴する役割を負ったグループ。需要はかなりあるのではないか(担うのはけっこうたいへんな役回りだろうけど)。とくにコロナ以降、慰安や娯楽ではなく、情動や熱量を求める心性は強まっているように思う。
 長々書いてきたが、まぁ、今後に期待ということで。ねぇ、からあげ~。