60歳からの自分いじり

恥の多い生涯を送って来ましたが、何か?

アメリカ関連抜書34

もう息子も娘も大学2年で、来年なったら家族旅行とか言ってられないだろうから…
と、バタバタと北海道旅行を企画するが、タイミング的には遅すぎて、なかなか予約とれず、日程決まらずで、やや萎え気味。息子が変な貼り紙を始める。

あらためて北海道の広大さに打ちのめされる。

 

デーヴィッド・マークス『STATUS AND CULTURE:文化をかたちづくる〈ステイタス〉の力学--感性・慣習・流行はいかに生まれるか?』筑摩書房、2024

第9章歴史と連続性 レトロリバイバル

344-6p「コロンビア大学での学園紛争の流血の結末はヒッピー・ムーヴメントの暴力的転回を予見するものであり、事実その翌年には〈オルタモントの悲劇〔カリフォルニア州のオルタモント・スピードウェイで開催された音楽フェスで起こった殺人事件〕〉と〈マンソン・ファミリー〉による連続殺人事件が起こった。それでもコロンビア大学におけるムーヴメントの完敗は、その後の十年を特徴づける重要な美的感覚を生み出すことにもなった。紛争の最中、院生で歌手のジョージ・レナードは、ばらばらになっていた学生たちをひとつにまとめる際に、過去の音楽スタイルが役立つことに気づいた。レナードは学生ア・カペラグループのコロンビア・キングスメンを説得して、熱意溢れるフォークロックの時代でとっくに廃れていた古くさい音楽ジャンルのコンサートを催した――はつらつとした歌声の五十年代ポップスを演奏したのだ。これはオールディーズ専門のラジオ局が開局する以前の話だ。五十年代の記憶はすべての人々に残っていたとレナードは語る。「核爆弾に怯え、赤狩りの嵐が吹き荒れ、貪欲に金を稼いだ時代だった」〈キャンプ〉の美意識とアンディ・ウォーホールポップアート、そしてS・H・ヒントンのヤングアダルト小説『アウトサイダー』に触発され、レナードは〈The Glory That Was Grease(栄光のグリース)〉と題した音楽イヴェントを企画した(グリースとは髪をアヒルの尻のようなポンパドゥールにまとめる油性整髪剤のことだ)。イヴェントのチラシはこう呼びかけていた。「運動部! ヒッピーたち! 予備役将校訓練団(ROTC)〔卒業後の軍入隊を前提とした課程を受講する奨学生たち〕! 〈民主社会のための学生連合(SDS)〉! 休戦しよう! 武器は捨てよう(互いに使うのはね)! みんなこぞって髪をグリースを固めて、八年生〔中学二年生〕の女の子をナンパしようと狙っていたあの頃のことを忘れたのか?」ニューヨーク中の大学生がコロンビア大学に集い、コロンビア・キングスメンのドゥーワップに耳を傾けた。〈栄光のグリース〉の成功に背中を押され、レナードは五〇年代テイストのヴォーカルグループ、シャ・ナ・ナを結成し、全米で人気を得た。/初期からのファンのなかにジミ・ヘンドリックスがいたシャ・ナ・ナは、ウッドストックオープニングアクトを務めるにまで至った。この音楽フェスのドキュメンタリー映画で、シャ・ナ・ナは金ラメの衣装に身を包み、ダニー&ザ・ジュニアーズの五七年のヒットナンバー「At the Hop(邦題「踊りに行こうよ」)」を世界中の観客に披露した。レナ―ドたちシャ・ナ・ナはドゥーワップの復活劇を招いただけではなかった。わたしたちが“フィフティーズ”と呼んでいる音楽を作り出したのおそらく彼らだ。一九七二年、やはりフィフティーズを舞台にしたミュージカル『グリース』がブロードウェイが初演され、〈ライフ〉はその年の六月十六日発売号で、眼が向けられた始めた“今よりハッピーだった”十年についての特集を組んだ。翌年、ジョージ・ルーカスの映画『アメリカン・グラフィティ』が、やはり五〇年代の楽曲でノスタルジアを呼び起こし興行的に成功を収めた。この映画のヒットを受けてテレビドラマ『Happy Days(邦題は『全米人気No.1! 青春ロック! ハッピーデイズ』)』が制作され、長寿番組となった。このフィフティーズブームは、ロンドンではテディボーイのリバイバルとしてあらわれた。当時のロンドンを訪れたある日本人がテッズのスタイルを東京に持ち帰り、そこから日本でもアメリカン・フィフティーズのブームが始まった。『グリース』はジョン・トラヴォルタオリビア・ニュートン=ジョン主演で一九七八年に映画化され、シャ・ナ・ナもシンジケート番組〔大手テレビネットワークを介さずに制作し、放送権を売る番組〕を始めた。総じて七〇年代とは、五〇年代について語る十年だった」

 

夏休みの宿題1)をとりあえず手放した。ここからは、2)・3)!と思うが、なかなかエンジンがかからない。こういう時は、小ぶりな仕事6)に逃げてしまい、はかどって仕方ない…でも、問題は山積みにされたまま…

ともかく4)・5)を粛々と進めつつ、2)・3)やらねば(でもちょっとはお盆休みと家族旅行~)。