60歳からの自分いじり

恥の多い生涯を送って来ましたが、何か?

アメリカ

(講義関連)アメリカ(30)結局「アメリカ」とは何なのか

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(30)結局「アメリカ」とは何なのか 1stシーズンの最後にまとめとして、そもそも「アメリカとは」を問うておきます。 20世紀、アメリカは物質的な繁栄の象徴でした。 287-8p「一八〇〇年頃のイギリ…

(講義関連)アメリカ(29)圧倒的な食文化としてのアメリカ

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(29)圧倒的な食文化としてのアメリカ 占領期、子供だった人たちの思い出は、つねに空腹と結びついています。1947年日本橋兜町に生まれた山口果林は 「幼児期の思い出に、アメリカ兵の姿が色濃く焼…

(講義関連)アメリカ(28)ヒスパニック、ラティーノ、チカーノ

www.youtube.com ゼミ卒業生がMAKi名義で登場。ヘッドフォンして歩いてます。 (ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(28)ヒスパニック、ラティーノ、チカーノ すでに(22)などでもふれましたが、昔ほどではないにせよ、アメリカと言え…

(講義関連)アメリカ(27)DH住宅と生活空間のアメリカ化

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(27)DH住宅と生活空間のアメリカ化 米兵をはじめ戦後来日した膨大な数の人々の住居に関しては、まずは接収、急ぎ改修、さらには新築と進んでいきました。これまで何度か登場した安岡章太郎の小説「…

(講義関連)アメリカ(26)アメリカン・スポーツの普及と展開

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(26)アメリカン・スポーツの普及と展開 以前、米軍の接収した保養地や娯楽施設ついてふれた(8)にて、ナイル・キニック・スタジアムや米軍内のアメリカンフットボール対抗戦などについてふれまし…

(講義関連)アメリカ(25)戦後、文学者たちのアメリカ体験

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(25)戦後、文学者たちのアメリカ体験 以前(21)にて、アイルランドのダブリンを舞台として青春映画『ザ・コミットメンツ』(1991年)に、「アイルランド人はヨーロッパの黒人だ。ダブリンの住人はア…

(講義関連)アメリカ(24) 『ヨコスカ・フリーキー』から『ベットタイムアイズ』へ

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(24) 『ヨコスカ・フリーキー』から『ベットタイムアイズ』へ 山田詠美は1959年に生まれ、明治大学漫画研究会に所属している時代にプロデューが決まり、主婦の友社の『ギャルコミ』に「ヨコスカ・フ…

(講義関連)アメリカ(23) 戦時中、脅威であり、驚異であったアメリカ

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(23) 戦時中、脅威であり、驚異であったアメリカ これまで幾度となく言及してきた小田実『アメリカ』(角川文庫、1962→1976年)ですが、再度その解説(室謙二)から引いておきます。 601-2p「大ベ…

(講義関連)アメリカ(22)ネイティブ・アメリカンとGoro’s

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(22)ネイティブ・アメリカンとGoro’s 前回取り上げた小田実『アメリカ』(角川文庫、1976年、元は1962年刊)から、主人公がメキシコ旅行した際のタクシードライバーとの会話を、再度引用します。…

(講義関連)アメリカ(21)多様なアメリカ、多様な受容(ソウル、ブルース)

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(21)多様なアメリカ、多様な受容(ソウル、ブルース) 1958年に渡米した小田実の放浪記『何でも見てやろう』は1961年に出版され、ベストセラーとなりました。また1962年に小田は『アメリカ』とい…

(講義関連)アメリカ(20)クヒオ大佐、米軍に憧れた結婚詐欺師。

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(20)クヒオ大佐、米軍に憧れた結婚詐欺師。 1984年6月17日付『朝日新聞』には、「化けも化けたり結婚詐欺男 金髪に染め隆鼻術、米軍人姿 「私…英王室の出」 4500万円だまし取る」という記事があ…

(講義関連)アメリカ(19)占領期の記憶点描

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(19)占領期の記憶点描 ワシントンハイツ(現代々木公園)に関しては、秋尾沙戸子『ワシントンハイツ:QHQが東京に刻んだ戦後』(新潮文庫、2011年)や大泉博子『ワシントンハイツ横丁物語』(NHK…

(講義関連)アメリカ(18)アーニー・パイル劇場とテキサスハウス

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(18)アーニー・パイル劇場とテキサスハウス 大竹省二は、女優のポートレート写真などで有名な、昭和を代表するフォトグラファーです。大竹省二『遥かなる鏡:ある写真家の証言』(東京新聞出版局…

(講義関連)アメリカ(17)『warp MAGAZINE JAPAN』の軌跡

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(17)『warp MAGAZINE JAPAN』の軌跡 スマホなどの普及により、また景気低迷による広告出稿の減少により、2010年代には雑誌の廃刊が相次ぎました。トランスワールドジャパン社の『warp MAGAZINE J…

(講義関連)アメリカ(16)城山三郎とフラワー・ムーブメント

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(16)城山三郎とフラワー・ムーブメント 作家・城山三郎と言えば、経済小説の草分け的存在で、歴史小説なども多く、どちらかといえば重厚な作風で、中高年男性向けといったイメージが私にはありま…

(講義関連)アメリカ(15)恵比寿のアメリカ橋と英連邦軍キャンプ

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(15)恵比寿のアメリカ橋と英連邦軍キャンプ 「半グレ」という言葉を知っていても、グレの語源である「愚連隊」を知らない人もいるかもしれません。愚連隊という言葉自体は戦前からあったようです…

(講義関連)アメリカ(14)CIEの映画と堀内誠一のデザインと

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(14)CIEの映画と堀内誠一のデザインと 占領期のアメリカの文化的影響に関して、GHQの民間情報教育局(CIE、Civil Information and Education Section)の存在は、土屋由香・吉見俊哉編『占領する…

(講義関連)アメリカ(13)庄助(1950年生)10歳とモデルガン

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(13)庄助(1950年生)10歳とモデルガン このシリーズの2回目に述べたように、1950年代から60年代初頭にかけて、アメリカのテレビドラマが日本のお茶の間(←死語)に溢れていました。8回目にも引…

(講義関連)アメリカ(12)ジルバを踊ろう、ジャック&ベティ

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(12)ジルバを踊ろう、ジャック&ベティ 1977年、ソニーのラジカセ「MARKⅡ」の広告が、東京コピーライターズクラブのTCC賞を受賞しました。 今だと、まずラジカセから説明する必要があるかもしれ…

(講義関連)アメリカ(11)「ハーフ」のポピュラー・イマジネーション

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(11)「ハーフ」のポピュラー・イマジネーション 「ハーフ」という言葉は70年代頃から広まり始め、「ゴールデン・ハーフ」という1970年代前半に活動したメンバー全員がハーフという設定の女性アイ…

(講義関連)アメリカ(10)「釣りバカ日記」から「漫玉日記」まで

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(10)「釣りバカ日記」から「漫玉日記」まで アメリカと「釣りバカ日記」。あまり縁がなさそうですが、以下は作者のマンガ家・北見けんいちの言です。 216p「アルバイトで思い出すのは、写真科の…

(講義関連)アメリカ(9)日米関係史:禍福は糾える縄の如し

自身の取材対応仕事のリンクも貼っときます。 メディアの役割や広告のあり方を考える時期がきた 関西学院大学教授・難波功士さんが予測する未来のメディア社会 | メディア環境研究所|博報堂DYメディアパートナーズ (ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「…

(講義関連)アメリカ(8)保養・娯楽施設の接収をめぐって

また別のゼミ卒業生へのリンクです。 ギブアンドテイクばかりじゃなくてギブが少し多くてもいいと考えられること。それが学びや成長の源泉になる。 | Interview | Mastery for Service 関西学院 (ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(…

(講義関連)アメリカ(7)『アメリカとは何ぞや』とオダサク

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(7)『アメリカとは何ぞや』とオダサク 敗戦後すぐ、フランスの経済学者アンドレ・ジーグフリードの『アメリカとは何ぞや』(伊吹武彦訳、世界文学社、1946年)が出版されます。その訳者紹介には…

(講義関連)アメリカ(6)日比谷・有楽町界隈

親バカですが、息子がインスタで公開。この春から、大学二年。映像専攻に進むようで、ともかくがんばれ。 【MAD】 大学一年生時に制作した映像作品たち 音源 :『Coward Me』龍崎一 ( DOVA-SYNDROME ) | Instagram (ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「ア…

(講義関連)アメリカ(5)「アメリカ」をめぐる世代差、温度差

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(5)「アメリカ」をめぐる世代差、温度差 今回はポピュラー・カルチャーと直接関係なくなりますが、まずは長い引用から。著者の上野昂志は、1941年生まれの評論家です。 24-5p「占領軍を解放軍と…

(講義関連)アメリカ(4)FENを聴いた人たち

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(4)FENを聴いた人たち 戦後日本の音楽シーンに対して米軍ラジオ放送FEN(極東放送網、現AFN)が与えた影響については、多くの人々が語っています。大瀧詠一、はっぴいえんど、小林克也(1941年…

(講義関連)アメリカ(3)古都・京都も、港町・神戸も。

そういえば、ゼミ卒業生ネタでこんなのもあった、あった。皆活躍を祈念。 カンテレ“入社予定”アナウンサー、入社前に異例のレギュラー決定 フット後藤は絶賛「ちゃんとしてるで」 | ORICON NEWS (ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(…

(講義関連)アメリカ(2)「奥さまは魔女」以前・以後

【緊急告知】4月4日にゼミ卒業生の堀井綾香監督作品が上映決定! 第七藝術劇場/作品/MOOSIC LAB 2024 (ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(2)「奥さまは魔女」以前・以後 前回述べたように、この春学期は「ポピュラー・カルチャ…

(講義関連)アメリカ(1)そもそも「ポピュラー(popular)」とは。

(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(1)そもそも「ポピュラー(popular)」とは。 私は現在、本務校にて「ポピュラー・カルチャー論」と「広告文化論」という講義科目を担当しています。 今回はまず、春学期担当の「ポピュラー・カ…