60歳からの自分いじり

恥の多い生涯を送って来ましたが、何か?

卒業式シーズン

 

写真は本日早朝の中央芝生。すでに、写真撮影の袴姿、ちらほら。

 

先週土曜は大学院の修了式(図書館長として登壇)。その後学部チャペルでの授与式。関わりのある院生のDとMの授与を見届ける。

この時期、正門前の撮影スポットの混雑を避けるため、「KG GRAD」のオブジェが時計台前に置かれるが、昨日からの風雨でブルーシートがはずれかけ。

 

今日は午前・午後の部と学部卒業式の壇上に。そのあと、体育会功労賞の授与式にも、弓道部・部長として。

 

明日は午前学部卒業式(社会学部含む)→ゼミごとの証書授与→午後の部の卒業式登壇→学部に戻って会議→パーティ→その足で寝台特急で東京へ(研究会、学会仕事、図書館めぐりetc.)とバタバタ。

 

今年、ゼミ生から同窓会賞授与者が出た(たぶん、これで5回目)。888888888

明日学部代表として卒業式にて証書を受け取り、午後から学部チャペルでの授与式もあるのだが、残念ながら卒業式登壇中ゆえ出席できず…。まぁ、ともかくおめでたい。

年長者とのつきあい方のtips

 今から40数年前、私がまだ高校生だった頃、NHKのドラマシリーズ「男たちの旅路」の「シルバー・シート」という回を見て、非常に衝撃をうけました。

 この「男たちの旅路」は、警備会社に勤める警備員たちがさまざまな事件・事故と遭遇する中で、社会の矛盾や問題に直面していく、といった内容です。「シルバー・シート」では、空港に配置された若い警備員たちが、毎日やってきて誰彼となく話しかけ、かつて自身がロンドンに派遣された記者だった頃のことを語る老人と知りあいます。そして、その老人が空港で急死したことで、彼が暮らしていた老人ホームの仲間たち4人とも親しくなるのですが、その4人組が都電の車庫に忍び込み、路面電車の車両に立てこもる騒動を引き起こします。4名のうち一人は、かつて都電の運転士でした(放送当時でも、すでに荒川線しか残っていない状態でした)。

 老人たちは問いかけます。死んだ元記者も元運転士も、みながんばって働いていた、世の中を支え、ここまでの復興をなしとげた。しかし、今は無用のものとして疎まれ、打ち捨てられ、顧みられない。人間、かつてやってきたことで評価され、敬意を払われてもいいじゃないか……。

 高校生だった私は、老人たちの気持ちがよくわからず、単におもしろいドラマだと受け取っていたのでしょう。こうした都電ジャック事件が本当にあったわけではないので、どこか寓話として見ていたのだと思います。

 最近、この番組をDVDで見直す機会がありました。感想としては、やはりたいへんよくできている、山田太一(脚本)のすごさを再認識した、といったところです。その点では、昔とさほど変化はありません。しかし、年齢が老人たちの側に近くなったためか、彼らの無念をよりリアルに感じ、実際にこうした事件があってもおかしくなかったのでは、と思うようになりました。最近、同年代の友人たちが、リタイアしたり、定年延長で働いているのをみるにつけ、高齢者のあり方の難しさを、わがこととして受けとめているからでしょう。そして、「シルバー・シート」の頃よりもはるかに高齢者人口の比率が高まり、いっそう世の中の変化が激しくなっている現在、4人組の老人たちが抱いていたような無念のマグマは、さらに社会にたまり続けているように思います。

 といったことを最近考えていたので、「奨学生に参考となるような題材で」とのオーダーをいただき、もろもろ考えた結果、「年長者とのつきあい方のtips」というテーマで書くことにしました。

 大学生の時期は、同年代の気のあう人とだけつきあうことも可能です。バイトならば嫌な上司がいたとしても、辞めるという選択肢は比較的容易です。部活や研究室の縦社会も、昔よりは緩くなっているでしょう。そのため、就職活動を通じて、もしくは実際に世に出てみて本格的に年長者と対峙せざるを得なくなったとき、戸惑ったり、フリーズしてしまうこともあるかもしれません。もちろん若者と年長者とのコミュニケーションギャップには、さまざまな要因やケースが考えられるでしょうが、なにかしらのつきあいづらさ、理解しにくさが生じたとするならば、そこには年長者・高齢者が抱えている無念の感情と、それへの若者側の若さゆえの気づきにくさが、多少なりともあるのでは。tipsとしたのは、秘訣というほど効力はなく、コツというにはおこがましく、助言というのも押しつけがましいしと逡巡した結果です。まぁ気楽に読んでもらって、何がしかの参考になれば幸いです。

 では、まず一つ目。「年長者とつきあう=うっとうしい」というマインドセットを持たないこと。

 無茶なことを言うようですが、「苦手意識を克服するには、苦手意識をもたないようにすべき」です。苦手と思ってしまえば、それは相手にも伝わり、より状況は悪化します。敬意をもちつつ、かつ敬遠しないで接してほしいと年長者は思っています。現在世代間の不平等は多々あり、若い人が高齢者を敵視したくなる気持ちもわかりますが、個々の年長者にそれをぶつけても、何ら事態は好転しません。まず無理にでも笑顔を作って、中高年と接してみましょう(そうした訓練を、学生時代に機会をとらえてしておきましょう)。

 二つ目は、年長者は鬱屈を抱えていて当たり前、と考えること。

 人間年を取れば、社会経験を積み、人格的にも陶冶され、温厚な性格となっていくと考える人も多いでしょう。もちろん、そうしたケースも多々あります。しかし、すべてがそうとは限らず、多かれ少なかれ無念の感情をためこんでいるものです。その屈託を堰き止めているダムは、意外と脆く、簡単に決壊します(いわゆる「地雷を踏む」というやつです)。一時期「キレる老人」という言葉も取りざたされました。いきなり都電をジャックするといった不可解な行動も、蓄積された自尊心の傷つきの末と考えれば、少しは理解可能かもしれません。

 目の前に急に怒りだす年長者がいたら、最初は驚いて固まってしまうでしょうが、徐々に冷静な対処方法を身につけましょう。過度にへりくだる必要もなく、かといって喧嘩なら買うぞという臨戦態勢をとるのもよろしくありません。「言って気が済む」場合も多いので、聞き流すこと(いわゆるスルースキル)も大事です。

 三つ目は、あまりの理不尽には「それ、ハラスメントですよ」と言うこと。

 一、二の対応策をとっていると、さらにエスカレートしてくるタイプも存在します。「勉強になります」「参考にします」と対処していると、さらに年下にアドバイスや知識の押し売りをしてきたりします。ときどき本当に参考になったりするだけに、よけいに対応が難しい。でも、耐えられないレベルに達したら、自身の心身の健康を守るために、ハラスメントにあたると指摘し、この場だけでおさめる気はないことを伝えましょう。年下に強く出るタイプの人は、意外と根は小心なケースが多く、トラブルを周囲に知られることを嫌います。

 こんなことばかり書いていると、世の中怖い、社会に出たくない、という人を増やしてしまうかもしれません。さらに、これを書いている私自身が、おためごかしに要らぬアドバイスをしてくる嫌な年長者なのでは、という気もしてきました。ですが、世間にはいろんな人がいる、という想定はしておいて損はないと思います。耐性や免疫をつけておいてほしくての老爺心だと理解してください。

 最近、博報堂生活総合研究所『消齢化社会:年齢による違いが消えていく! 生き方、社会、ビジネスの未来予測』(インターナショナル新書、2023年)という本が出ました。たしかに、消費のあり方やコンテンツの嗜好に関しては、年齢による差は減ってきたのかもしれません。若い頃の趣味を捨てない年配者と、巨大なアーカイブと化したインターネットの中から、過去の流行を掘り起こし、リバイバル消費していく若者たち。年齢によるセグメントは、たしかに薄れてきているようには思います。

 しかし、既存の多くの組織はまだまだ、年齢をベースに成り立っています。その是非はおくとして、まずはそうした現実の中で生きていくのならば、それなりに上手に年長者に対応していってほしいものです。

 そして高齢者(すなわち私)の側も、いきなり都電をジャックするといった行動をとらないよう、上手に年齢を重ねていきたいものです。

 

《私が大学生時代に奨学金をいただいた団体の会報誌に載せた文章を転載》

恵送御礼

 

関和知に関して知識皆無だったが、お~、自由民権期から普選期にかけての新聞業界や政界について、なんだかよくわかる。河崎さんらしい、丁寧な記述。やはり、このシリーズ、現代(テレビ、ネット)まで展開してほしいものだ。

 

今日は大学院の修了式、学位授与式、面談、Zoom研究会など。

 

話かわって、一昨日、同性婚を認める高裁判決が出た。

同姓婚社会のなかで、画期的な展開。この先どうなるかわからないけど、まずは異姓婚は認めろよなぁ、と思う。

昨年、千田(ちだ)翔太八段が中村真梨花女流四段と結婚し、戸籍上は中村翔太とすると発表した際の理由が、「ちだまりか」はダメでしょう、だったとか。他にも理由があるのかもだが、なるほどなぁと納得。夫婦別姓可は、時代の流れだと思う。

恵送御礼

 

テレビ論とともにタモリの評伝としても秀逸。太田さんの真骨頂!

 

タモリとのファーストコンタクトは、タモリ年表https://matogrosso.jp/serial/tamorigaku_tamorigaku_06/
の1977年3月にある

憂歌団のライブアルバム『生聞59分』発売。ライナーノーツに「異色対談 相倉久人×タモリ一義」収録。

だったと思う。そういえば、タモリ倶楽部憂歌団が出た回、ライブ会場(芝浦だったか)にいた記憶もある。

 

今日はZoom打ち合わせ、面談、Zoom会議。

恵送御礼

 

怒濤上梓中の前田先生から。政治経済にほんとうに興味がないので(そのことを恥ずかしいとすら思わなくなっているので)

詳細はわからないが、数度の大病、二度の癌発症を経て、なりゆきに任せることの効用に行きついた感じには、非常に同感。

なりゆきの中にありつつ(メタな立場に止まらず)、なりゆきにもまれつつ、でもなりゆきともみ合いながら思考を続ける。

そうしたスタンスにおられる感じを、なんとなく感受し、ざっくりと共感する…といった読後感。生命線上でのアリアというか疾走感というか。

 

今日は大阪市内に出て、会議。

飛蚊症

 

土曜日、眼科に行ってみる。前々から右目の硝子体に何かいるという感じだったのだが、ちょっと気になったので、念のために。

診察の結果、治療の対象とするようなものでなく、ただの老化現象とのこと。それはそれで問題だが、大ごとでなくて何より。

逆に左目の結膜炎の方が気になるということで、目薬を貰って帰る。

 

遠い昔、中二病の全盛期、ただの立ち眩みを、芥川龍之介の歯車で有名な閃輝暗点? と思っていた頃のことを思い出す。当時、邪気眼なんて言葉、なかったしなぁ。

ちなみに司馬遼太郎は若い頃から飛蚊症もちで、満州で砲兵だった時に、眼の中の浮遊物を砲撃してしまったことがあるそうな。

 

今日は保健館からZoom会議2件。いよいよ、体に気をつけていきましょう。

 

但馬みほ『アメリカをまなざす娘たち』小鳥遊書房、2022

桜はまだかいな

 

先週水曜あたりの法学部前。甲東梅林も、そろそろ見ごろ。

 

福永耕太郎『電通マンぼろぼろ日記』三五館シンシャ、2024

 

ちょっと年下ぐらいの方か。社は違えども広告業に入るまでのプロセスに近しいものを感じるが、こちらは12年で離脱したことで、アルコール依存、離婚、自己破産…などを回避できたのかもしれない(これからのことはわからないけど)。

ただただエールを。

インターセクショナリティ

 

有り余る才能をもちつつ、黒人でゲイで…。

公民権運動以前の南部で生まれ、さらに敬虔なキリスト教への信仰ゆえに、ゲイであることへの深い葛藤を抱きつつ。くわえて薬物依存、離婚、弟の死、交通事故などなど。

中年以降、話し方はマツコ・デラックス、外見は鈴木雅之に似ていく。

でも、長生きして、晩年は報われたようでなにより。

気になって調べてみると、チャック・ベリーも、ジェリー・リー・ルイスも、ファッツ・ドミノも意外と長寿でちょっとびっくり。チャビー・チェッカーもまだご存命のよう。

27歳で亡くなった人たちや、それよりも早世のバディ・ホリーリッチー・ヴァレンスオーティス・レディングらのことを考えると。

 

過去映像でだが、ボー・ディドリーが見れてうれしかった。四角いギター。

インタビューではミック・ジャガートム・ジョーンズジョン・ウォーターズ、ナイル・ロジャーズなどが登場。ナイル・ロジャーズ、最近ルセラフィムとからんでいて、ちょっとびっくり。

 

思ったよりも、観客入ってた。こちらと同様、シニア勢多めだったけど。

 

この週末は、取材対応準備と授業準備と、もろもろの執筆系のお仕事。春休みももう終わりなので、馬力出していかないと。

 

鳥山明氏逝去。Drスランプしか通ってない人間(ドラゴンボールわからん勢)だが、なかなか衝撃。ご冥福をお祈りします。考えてみれば、ドラえもんもコナンもクレヨンしんちゃんONE PIECEキン肉マンhunter×hunterもナルトも進撃の巨人ジョジョ妖怪ウォッチも鬼滅も東京卍も呪術廻戦もSPY×FAMILYも通らずじまい(しんちゃんは映画は少し見た)。今から追う気もないけど。

子どもの頃、ゲゲゲの鬼太郎ルパン3世(いずれも初代)は全部観てるはず。長じてからは、じゃりン子チエエヴァ(1stシーズン)、あとは会社員時代、ちびまる子ちゃん観ながら、ブルーな気分になってました。

恵投御礼

 

同僚の金菱さんよりの御恵投。

大きな震災に遭わずに60数年生きてきた人間には、どこまでいっても十全に理解はできないのだろうが、読後、そこで何が起き、今も何が起きているのかをちょっとは感得できたように思う。

 

その街のこども」や「神戸在住」、「キリエノウタ」などを観たり読んだりした後と、同様な感触が残った。貴重な一冊。

 

今日は、通院、取材対応、面談からの部長仕事。