60歳からの自分いじり

恥の多い生涯を送って来ましたが、何か?

L'école des Annales

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カルロ・ギンズブルグの『チーズとうじ虫』、読了。

 

日本近世史専攻の学生から、広告代理店社員に転身し、自身の大学時代を黒歴史視し始めていた1984年に翻訳が出た。
なんとなく気にはなっていたが、過去は振り返らない!と、37年間も読むことを遠ざけてきた。
でも、大学時代歴史系サークルやってて、1981年の学祭に阿部謹也先生の講演会など開いたこともあった。
そもそも、日本近世史専攻となったのも、受験の終わった1980年春、前年末に出た安丸良夫『神々の明治維新』を読んだことが引き金だった。
浜林正夫『魔女の社会史』、ノーマン・コーン『千年王国の追求』…。澁澤龍彦種村季弘に発症してた気もする。

 

三つ子の魂ではないが、大学時代の呪縛は、けっこう一生ものなのかもしれない。
自身の最終的な着地点は、このあたりかなぁとは思う。もうくずし字読むことはないけれど。
南博の社会心理史ではないけれど、昭和の心性史(Histoire des mentalités)や感性史みたいなことを、泉麻人でも町田忍でもなく…