60歳からの自分いじり

恥の多い生涯を送って来ましたが、何か?

チャペルアワーのすすめ



昨日の雨でかなり散ってしまいましたが、薄暮の桜。以下は
関西学院大学には1限目と2限目の間に、チャペルアワーという時間が設けられており、それへの出席の推奨の弁。


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 この火・水・木は、1年生へのオリエンテーションと言うことで、学部長からもチャペルにできるだけ出てみましょう、という話をする週間となっています。でも火曜日は副学部長の先生に代わっていただきました。
 私は今年中学生になる男女の双子の父親で、小学校は二人同じところに通っていたのですが、中学は別々となり、先週金曜に息子の入学式がありました。娘は火曜日午前だったので、やはり両方とも出るべきだと思い、無理をいって代わっていただきました。今日、明日は、私がつとめます。
 さて、チャペルに出た方がいい理由です。すでにオリエンテーションを受けていると思いますし、2年生向けのセミナーガイドも配られていると思うので、ご存知のことでしょうが、皆さんは1年後、その後卒業まで属するゼミを決めなければならないフェーズを経験します。
 これからの1年で、ゼミを担当する先生方とどれくらい接点を持ちうるかというと、履修制限もありますし、授業だけではさほど多くの先生とふれあえません。その点、このチャペルには、多くのゼミ担当の先生方が登壇し、お話をされます。授業などではうかがい知れない、その先生の側面がみられたりして、いろいろ参考になると思います。私も去年1年間、チャペルに出てみて、へぇあの先生、そうだったのか、みたいな驚きも多く、同僚の知らない一面に気づけて、なかなかおもしろかったです。
 それからチャペルに出ることで、関西学院というものへの理解も深まると思います。皆さんにとってはたまたま入っただけの大学かもしれませんが、入った以上はそこのことを知っておいて損はありません。
 スクール・モットーは、mastery for serviceだという話は、もう何度か聞いたと思いますが、それがどういうことなのかは、なかなかすぐにわからないと思います。チャペルでも、真正面からmastery for serviceとはこういうことだと論じる回は、あまりないかもしれません。しかし、関学の同窓の方ばかりではありませんが、mastery for serviceな生き方をしている方のお話を聞く機会も多いです。また、在校生でも何かしらの奉仕活動、ボランティアなどに従事している人たちの話も多いです。そうした人たちの話から、mastery for serviceとはこういうことかと各自考えて、自分なりの実行の仕方を探ってもらえればいいなぁと思っています。
 この春4年生になったゼミ生たちの中からは、ちらほら、行き先が決まったので就活終えますといったメールが来るようになりました。就職活動を意識し始めたとき、多くの学生は、どの会社に入れば得なのか、どういった業界に進めばおいしいのかとばかり考えます。しかし、そのうち、就職する先からどんなサービスを受けられるのか、どんなメリットが得られるのかを考えている場合ではないと、気づくようになります。自分が誰かにサービスができるのか、特に就職しようとする先の組織に、もっと言えばその組織の顧客や得意先にどんなサービスを自分が提供できるか、そう考えざるを得なくなります。そう考えを切り換えないと、なかなか選考、先まで進めないので。
 そのあたりの切り換えがうまくできた人から、行先が決まっていくもんだなぁと毎年思いますし、今年もそう思いつつあります。
 自分が人からサービスを受けるのではなく、自分が他の人にどんなサービスを提供できるのか。そんなことを考え始めるきっかけに、このチャペルの場がなればいいなぁと思っていますし、その機会は多々あると思います。
 ひるがえって、私自身はどうかと考えてみたら、まぁ大学卒業後、ずっと職を得ているので、少しは何かのサービスを提供できているのかなぁとは思います。しかし、学部長になることが決まったときに、ゼミの卒業生が同窓会を兼ねて激励パーティを開いてくれて、記念品に特攻服をもらったのですが、そこには「mastery for Kazoku service」と刺繍されていました。
 そりゃ、双子の父親になってからの十数年、ゼミ生よりも子どもへのサービスを第一に考えていたしなぁ、と納得はしました。しかし、もうその子たちも中学生になり、徐々に自分で歩み始め、だんだん誰かにサービスを提供できる人になっていってほしい段階に入りました。私もこれからは、もう少し広く、他人に対して何らかのサービスをと考えています。
 そんなことを思うようになったのも、昨年1年間、チャペルアワーに出続けた影響なんじゃないかなぁと感じています。みなさんもこの時間に、いろんな影響を受け、自らを振り返って、もろもろ考え始めてほしいと思います。


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ゼミ話を書いたついでと言ってはなんですが
http://www.nhk.or.jp/kobe/caster/a-det0015.html
広島から神戸に移ったよう。かんばれ〜


今日は、チャペル、面談、打合せ、会議、会議、会議、歓迎会という一日。


小倉一哉『「正社員」の研究』日本経済新聞出版社、2013