60歳からの自分いじり

恥の多い生涯を送って来ましたが、何か?

アメリカ関連抜書4

大谷能生『歌というフィクション』月曜社、2023

269-70p「第一次戦後派ジャズ・ミュージシャンがニューシングとして取り組んだのは、このような「楽器演奏者のソロで盛り上がる」という特殊なポップスとしての「ジャズ」である。復興期におけるっポップス界の徒花でもあったこのブームはしかし、五六~五七年にはほぼ収束し、ジャズ・バンドの多くはふたたびクラブやキャバレーの現場へと戻るか、その演奏力を生かしてメジャー体制の伴奏隊に就職するか、それとも……といった岐路に立たされる。
 たとえば、ビッグ・フォーのピアニストだった中村八大は、五九年にはキャバレーにハコバンで入っている。ドラッグ禍の影響もあったとはいえ、一度は「日劇」と「国際劇場」に同時に出演した大スターが……である。洋楽系ポップスのトレンドは、すでに「ウェスタン・カーニバル」--ロカビリー・ブームへと移っている。「ジャズ」という言葉によって洋楽系ポップス全般が大雑把に括られていた時代は終わり、「ジャズ」はこのとき、マンボやロカビリーと並列的に語られるポップスの下位ジャンルの一つに落ち着いたのであった」

 

今日は通院からの対面会議からのZoom会議など。