60歳からの自分いじり

恥の多い生涯を送って来ましたが、何か?

ロボット司書


同じく、大阪市大。昔たまっていた図書館は、すでになく
こんな立派な建物が…。ロボットが配架してるとの噂を聞き
一度資料調査に行く機会に楽しみにしていたのだが、
別に二足歩行のロボットが館内を歩き回ってるわけではなく
定時に図書を積んだ台車みたいなものが無人走行してるだけだった。
ちょっと、がっかり。


本間龍『転落の記』飛鳥新社、2012


広告業界モノの小説・ドラマ・映画などは注意して集めているのだが
やっぱり当事者の書いたドキュメンタリーは、迫力が違う。
なんとなくファンタジーだったり、ステレオタイプだったり、
つまらない小説・ドラマなどが多いのだが、これは楽しめた。
ただ、1992年の社員名簿(昔は個人情報管理は緩かった〜)を見てみたが
この名前では見当たらない(ペンネームなのだろうか)。
弁護士事務所など固有名で出ている部分もあるので
筆者が本名で書いてるのか否かが、やはり気になる。う〜ん
まぁ、別れたとはいえ、妻子のこともあるからだろうか。
かわいい盛りの子どもと、離れなければならないくだりが、けっこう涙もの。
(娘、いまだインフルかどうか不明。とりあえず、息子と就寝)


まぁ、広告代理店など有形でない商品を営業・販売している場合、
どうしても人の存在がデカくなる。どこの世界でもそうかもしれないが
みな、自分を実像より大きく見せようとする。1.5倍増しくらいか。
(等身大の自分を…、とかいうタイプには、向かない世界)
状況がうまく回ってると、それが上げ底ではなく、実像となってくる。
だが、一つ歯車が狂えば…、という恐ろしさ。
自分を1.5倍に膨らませるには、威張れる者に対して威張るやら、
知識・経験を利用、資金力、おしだし…など、方法はいろいろ。
さすがにハラスメント的なことは、コンプライアンスなご時世で
影をひそめてるだろうし、威張りんぼの末路はだいたい悲惨。
虎の威を借りる系は特に。某島田氏もこのパターンなのかも。
知識・経験は、瞬時に風化・劣化していくご時世だけに、これもつらい。
おしだし(容姿)も、維持が大変だし、当然中身が問われることになる。
結局、おしだし等に金を注ぎつつ、スタッフに大盤振る舞いも辞さず…
といったところが著者のはまった陥穽(落し穴)だったのかもしれない。
文章からは、威張りんぼ気質は感じられないしなぁ…。


ともかく、自分が所属してた頃は、株主少数(ほぼ同じ姓)の
典型的同族会社だった(最後の1年、経営企画室員となって初めて知った)。
その後、上場は時代の必然だったかもしれないが、
株式公開した以上は不特定多数の株主への説明責任が問われ、
どんぶり勘定が難しくなったことが、この事件の背景にもあったよう。
昔がよかったとは思わないが、働く上での負荷は増してるんだろうなぁ。
自身を振り返って、バブルの頃でもブイブイいわさない気質が
わが身を救ったような気もしてくる(まぁ貧乏性なだけなんだろうけど)。


代理店の営業マンは、実家が資産家で、給料はすべて小遣い〜
みたいな人がやはり「デキる」との評価をとっていたような気がする。
小汚い制作マンと影に潜む経営企画室員が、自分には性にあっていた。
ブイブイ