紫陽花と自動体外式除細動器。キャンパスにて。
火曜日の3年生ゼミ。4名が2巡目の発表、1名が最初の自己紹介代わり発表。
昨秋からソウルの梨花女子大学に交換留学に出かけ、先週日本に帰ってきた学生がゼミに合流。
メーリングリストではつながっていたが、初顔合わせ。
梨花女子大・延世大・弘益大などが集まる学生街、弘大前(ホンデアプ)での留学生群像など。
以下、例のごとく、発表に対する文献紹介・コメントメールから転用。
>烏賀陽弘道『Jポップとは何か』を読んできたFさん
CD不況。2010年のランキングは、嵐とAKBだらけとか。
ゼミ内にもCD派は、Fさん他数名。クレジット・カードが嫌いでiTuneなどがなじまない人、
歌詞カード好き、ジャケット好きなど(あの〜、LPジャケじゃないと萌えない世代なんですけど)。
おおむね皆、CDはときどきパソコンで聴いてるけど…、
CDウォークマン! そう言えばあったあった、懐かし〜 といった感じ。
とりあえず井手口彰典『ネットワーク・ミュージッキング』勁草書房、2009
CDを「所有」することから、ネット上の音源や動画を随時「参照」する時代へ。
あと、より歴史的には、生明俊雄『ポピュラー音楽は誰が作るのか』勁草書房、2004
より今日的なのは、津田大介・牧村憲一『未来型サバイバル音楽論』中公新書ラクレ、2011
>荒井悠介『ギャルとギャル男の文化人類学』を読んできたFさん
ギャルとオタクはつきあえるか? という問題意識。
オタク論はやたらあるし、ギャル同様、オタクも刻々と変化していくし…
4半世紀にわたるオタク史を辿りなおす、ということなら
とりあえず、吉本たいまつ『おたくの起源』NTT出版、2009あたりから。
あと、中邑天『ギャル男 THE 爆誕!』というマンガが、
オタクがギャル男に変身!〜みたいな話で、ともかくおもしろかったです。
それからダイエット(食品)広告みたいな話は、若干小難しいけど
加藤まどか『拒食と過食の社会学』岩波書店、2004
谷本奈穂『美容整形と化粧の社会学:プラスティックな身体』新曜社、2008
あたりかなぁ。
>草食系男子がらみの本数冊を読んできたHさん
「草食系」とは、もっぱら自分の趣味にお金を使い、
女性に時間と金と体力を割かない男の子たちへの、女性側からの不満の表れだ
みたいな話は、非常におもしろかったです。草食系の話に限らず、
恋愛をめぐる事象全般、恋愛の現在全般に対して興味があると思うので
谷本奈穂『恋愛の社会学:「遊び」とロマンティック・ラブの変容』青弓社、2008
あたりから。
>根本橘夫『傷つくのがこわい』を読んできたKさん
とりあえず「承認」というのが、昨今のキーワードらしいので
アクセル ホネット『承認をめぐる闘争』法政大学出版局、2003
山竹伸二『「認められたい」の正体:承認不安の時代』講談社現代新書、2011…
でも、多分違うような気がする。自尊感情をめぐっては、先週の障害学じゃないですが
アーヴィン・ゴフマン『スティグマの社会学:烙印を押されたアイデンティティ』せりか書房、2001
傷つく(傷つけられる)を回避するために、人はどのような行動をとるか?
といった問題群に対する古典的著作。
水曜は午前中院ゼミ、午後から来客。来週末締切り原稿を行ったり来たり。
武田徹『原発報道とメディア』講談社現代新書、2011
松田裕之『モールス通信士のアメリカ史』日本経済評論社、2011