60歳からの自分いじり

恥の多い生涯を送って来ましたが、何か?

恵送御礼・鉄道少女


辻泉さんより。実はすでに購入し、読了済だったのだが…
(盛夏休暇がはさまってしまったせいかも)


読後、強く感じたのは、
「今ならば自動車や飛行機もあっての鉄道だが
往時は鉄道しかなかったんだろうなぁ」という点。
歴史学的想像力」(©安丸良夫)ということなのだろう。
社会学的…、とはあえて言わない)
男の子の趣味のメインストームに鉄道があった時代。
その中にいた私には見えないこと、気づかないことが
次の世代の辻さんには明瞭に見えいている気がする。


そう言えば、この前のゼミ合宿で、夜中
「なぜ私をゼミ生選考の際に残したのか」を
一人ずつこちらからコメントすることを求められたが
最後の方(25名ほどいた)には疲れ果て、苦しまぎれに
「中・高・大と阪堺電車で通学してる点に反応」とか
無茶苦茶なことを言ってた記憶がある。
しかし、今から考えれば、意外と自分の萌えポイントは
地方都市にて路面電車で通学する女子高生(共学不可)
だったりするかもしれない、という気もしてきた。
(テツ的な注釈を入れれば、路面電車といっても
専用軌道部分もあっても可)
広島電鉄の女学院前駅とか、福井鉄道の仁愛女子高校駅とか。
土佐女子、活水女子、遺愛女子、松山東雲…


地下鉄やモノレール、新交通システムではだめなのである。
江ノ電とか都電とかも、ちょっと違う。嵐電叡電もちょっと…。
都市の規模がそこそこ大きく、でも急激な発展を遂げなかったために
路面電車が生き残った地方中核都市の、街中にある伝統校萌え
といったところなんだろうか。
私立に通ってのは幼稚園だけ、という人間なもんで。
あと、大阪市電・京都市電、
さらには玉野市電にギリギリ間に合った世代なもんで。


ボトゼル+ハンセン『ゲッベルスと私』紀伊國屋書店、2018
丹羽美之・吉見俊哉『戦後復興から高度成長へ』東京大学出版会、2014