60歳からの自分いじり

恥の多い生涯を送って来ましたが、何か?

1984年

土曜は京都、日曜は奈良と、電車に揺られる時間が長かったので
「1Q84」にひたすら目を通す。おもしろかったし
本筋とは関係ないところですが、ネタも拾えたように思うので
なかなか有意義な移動時間を過ごすことができました。


1984年と言えば、自分史的には会社員1年目の年。
日本史や社会科学漬けの日々から、
ちょっとは最近の小説等も読まんとなぁ…の時期でした。
なので、『風の歌』『ピンボール』とか『羊をめぐる』とか
『ハードボイルドワンダーランド』くらいは、読んだ記憶があります。
たしか、『ノルウェイの森』も(関係ないけど「ノルウェイの森」を
「北欧調の家具」とした訳詞集を見てのけぞった経験があります)。


あいかわらず、ストーリーテイラーとしては抜群の力量なんでしょう。
でも『ハードボイルド…』の自己模倣って気もしました。
まぁ、いとうせいこう『ワールズ・エンド・ガーデン』みたく
ヘロヘロにならないあたりが、本家本元かと。


しかし、『ハードボイルド…』ほど没入できなかったのは、
単にこちらの環境変化のせいのような気もします。
1984年に東京で単身生活を始め、
辞令によるとはいいながら、技能職に就いたわけで
村上ワールドの登場人物に、どこか感情移入しやすかったような。
関西に戻ってきて、阪神間に住んでみると
なんとなく『風の歌』もわかるような気もしました。


でも、ここ4年間、子供たちの糞尿の世話に明け暮れたわけで
予備校講師(兼ライター)やジムのインストラクター(兼殺し屋)の
一人暮らしの静謐を描かれてもねぇ、
すかしてんなぁ、って感じになってしまいました。


あと、1984年にする必然性が、
オーウェルとピンク電話だけなように感じられて
別に今の話にしてもよかったんじゃないの?
と思いました(まぁ、オールドファンにはわかりやすくていいけど)


関係ないけど、NHKBSでやってる日めくりTVの1984年って
もう終わったんでしょうか?
(グリコ森永ネタの回がすでにあったような気もするので
それが1984年だったかも。いや、1985年?)
1984年…。やっぱロス五輪とグリコ森永の年ですかね。
直近の日めくりTVが1970年だったのですが、
万博以上にコザ事件をフィーチャーしてたのは見識だと思います。


それから土曜の学会会場で、朝から晩まで
司会→初対面の人と会う→シンポジウムを拝聴→打ち合わせ→懇親会
とウロウロしてて、自分がイチバン好きなコミュニケーション状況は
初対面にせよ、既知の人にせよ、「1⇔1」の対面であり
「1⇒n」も何とかこなすものの(nでいる方が圧倒的に好きですが)
「n⇔n」、特に初対面の方・旧知の方入り乱れての
パーティ・トークが心底ダメなことを再認識。
居酒屋で数名規模の打ち上げは好きなんですけど。
やれやれ