60歳からの自分いじり

恥の多い生涯を送って来ましたが、何か?

53本目。東京湾景


2004年、フジテレビ、いわゆる月9の連続ドラマ。
仲間由紀恵に、李麗仙、ソニン吉田修一の小説が原作となっていますが、
要は、韓流ドラマブームを受けて、それを月曜9時でやってみました〜
という感じ。プロデューサーの書いた
栗原美和子『テレビの企画書 新番組はどうやって生まれるか?』ポプラ新書、2015
に詳しい経緯があったと思いますが、すぐには見当たらず。
う〜ん。怪作として、見返す価値はあると思います。


2011年夏、お台場のフジテレビ前に600人が集まり、
動画投稿サイトで10万人はデモを視聴するという現象が起こりましたが、
今から考えれば、それをするならこのタイミングで〜と思ってしまいます。
そうした動きに関しては、
伊藤昌亮「ネット右翼とは何か」山崎望編『奇妙なナショナリズムの時代』岩波書店、2015
の、2ちゃんねらーの間に成立していた「反マスメディアフレーム」という議論が
もっとも的を射ているのでは。同書49p
「そこで敵手として設定されたのは、朝日新聞NHK、フジテレビなどである(北田二〇〇五、伊藤二〇一一)。その際、朝日新聞NHKは、特に言論機関としてのマスメディアを代表する存在として攻撃対象とされていた。いわば「左翼知識人」としての言論エリートの権力性を象徴する存在である朝日新聞NHKと、「華やか業界人」として娯楽エリートの権力性を象徴する存在であるフジテレビとを両面から叩くことを通じて彼らは、その両者によって主導されてきた日本のマスメディア文化全体、その構造そのものを批判しようとしたわけである。さらに言えば、教条的で高慢な左翼知識人と、無節操で傲慢な華やか業界人との両者によって構築されてきた日本の文化レジームそのものに異議を申し立てようとしたわけである」