60歳からの自分いじり

恥の多い生涯を送って来ましたが、何か?

【61年生1】「ヤンキー」の語源

私は、大学卒業後、かなり長い間コピーライターを生業としており、
ふと大学院生などをしているうちに、某学会誌の公募論文2本という業績で
パーマネントの大学教員職を得た者です(叩かないでください)。


転職後も、基本的には「発注を受けて文章を書く」という、
コピーライター・グセが抜けずに今日まで来ています。
紀要論文・研究ノートというのもけっこう書かせてもらいましたが、
研究助成を受けれた以上、なんかそれ関連の業績をつくらないと…
といった大人の事情で書いたものがほとんどです。


しかし、つい最近、非常に強い内的衝動に迫られ文章を書き、
新聞に投書までしてしまったことがありました。
12月18日付朝日新聞朝刊(大阪本社版)に掲載されたのがそれで
趣旨は、
「11月25日放送の『所さんの学校では教えてくれない』(テレビ東京)で
いわゆる「ヤンキー」の語源は、関西弁であり、
「ヤンキー」は関西オリジンな存在である、とされていたが、
それはたいへん根拠レスな話である、プンプン」
みたいなことでした。
(番組名は新聞社の要請で、最終的にはぼかされました)


今井俊博『生活ファッション考』(青友書房発行、同友館発売、1975年刊)などを読むと
どう考えても、70年前後に新宿あたりでソウルで踊ってた米兵たちの影響下
「ヤンキー・スタイル」は生じたわけで、その後いくらドメスティックなものとなったにせよ
もともとはやはりYankeeから来ているわけです。
番組では、嶋大輔に話聞いてましたけど、
「関西=ヤンキー、関東=ツッパリ」というパラダイムに縛られてないで
ブラザー・コーンとこに、話聞きに行けよ!
と言いたいわけです。


それから「アメリカ村=いわゆるヤンキーが屯してる街」というのも短絡に過ぎます。
VANジャケットの発祥の地であり、70年代にサーフショップが集積し始めたから
アメリカ」なのです。(ゴッドマザー日限萬里子さんの冥福をお祈りします)
ついでに言えば、初期の「ガキの使いやあらへんで」のビデオを見ていると、
ダウンタウンが高校の頃、ファッションといえば、
「サーファーと、アイヴィーと、ヤンキーしかなかった」
というネタで漫才をしてたりします。
本来は、サーファーとアイヴィーの街だったんですよ、アメリカ村は。
70〜80年代の『ホットドッグプレス』なんかを繰れば、すぐさま理解できることです。
私のように、さほど関西ラヴではない人間でも、
「奇妙なものはみな関西から」で済ましてしまうのは、
マスミィ〜ディアの悪いクセだと思います。


でも、いちばん言いたかったことは、
日本にもソウルで踊る伝統があったのだ、ということです。(イースタン・ソウル!)
その細かいステップワークは、今日の目から見ると変かもしれない。
でも、パラパラよりは好きだぞ、私は。
腐ったようなユーロビートや「とらんす」よりは、ジェームス・ブラウンだろ、やっぱり。


そんなわけで投書までしてしまいました。
そして突然、ブログやるってこういうことか、と悟るところがありました。


というわけで、吹き荒れる昭和ブームの中、
「そういうふうに過去を構築して、記憶を編集していいもんか?」
といったブツブツを書き連ねていこうと思います。