60歳からの自分いじり

恥の多い生涯を送って来ましたが、何か?

顧客志向試行私考



栗木契『マーケティング・コンセプトを問い直す
:状況の思考による顧客志向』有斐閣、2012
帚木蓬生『インターセックス集英社文庫、2011


栗木先生よりのご恵送本。
大学にとっての顧客志向とは?と、思いをめぐらす。
昨日の審議会でも、医療の現場における昨今の顧客志向
みたいな話題が出る。患者を○○様と呼ぶことへの違和…
(あ、帚木本も、そんな感じ)


ま、「37歳で医者になった…」の件はおくとして
一つの考え方は、学生を大学の顧客と見なすパターン。
私学生き残り競争の中で、よく目にする物言いではある。
ただしこの場合、正確には学費負担者(日本の現状では、
多くの場合、親御さん)を顧客とみなすべきであろう。
では、その親御さんの願いだとか、要望だとかは???
まぁ、最大公約数的には、わが子の安定した就職・就業…
ということに尽きるだろう。


ならば、学生≒製品を雇い入れて(お買い上げ)くださる
企業・団体(要するに就職先)こそが顧客である…
という思考実験も無意味ではなかろう。
国公立の場合は、社会への貢献…を意識すべきであろうし、
私学とても多くの補助金をいただいてる存在ではある。
でもまぁ話を単純化して、学生たちの就職先(≒顧客)の
ニーズに応え(られ)る人材育成こそが、大学の使命である
としてみる。(かつての学生運動盛んな頃ならば、
資本主義の走狗たる大学の解体、殲滅〜、となるところ)


なんか、それでいいんじゃないの〜
学生本人もそれを切実に願っているのだし〜、と思う。
では、就職できればそれでいいのか!みたいな反発はあろう。
でも、とりあえずそこがスタートライン。
もちろん、いわゆるブラック企業(への就職)問題はある。
しかし、ならば、そうしたところに学生たちが到らぬよう、
まず何をすべきかという話である。そんな企業の存在を
認めているような社会のあり方を変えるほうが先決だ!
というのは正論だが、目の前に子羊がいる状況では
そうした正論は、子羊たちに一利も一理ももたらさない。
顧客(志向)が何を意味するのか、意味すべきかは、
やはり、その人のおかれている状況次第。


フォーサービスについて考える。
その前提となるマスタリーについて考える。
お題目に終わっているともいわれがちな校是だが
それについて考え続けてきた校風・風土は
つねに立ち返るべき参照点であるとは思う。
というのが、自らのおかれた状況での顧客志向。脚下照顧


では、フォーサービスできる人材(製品)を送りだすには。
入試部(メーカーで考えれば、原材料の仕入れ・調達部門)
として、その課題にどう応えるべきか。
(「人」を材料だの製品だのにたとえるべきではない、
という話は、ひとまずおいといて)
といった会議を今日もまた、部内で午前中。
昼からジム行って、夕刻からは全学の会議〜