60歳からの自分いじり

恥の多い生涯を送って来ましたが、何か?

キティちゃん危機一髪2





ゼミの現3年生の興味関心ということで。


>O君・Kさん
ナイキ(ジャパン)、ユニクロ(ないしファーストリテイリング)とわりと調べたい対象がはっきりしている場合、まずそれに関する本、雑誌記事、新聞記事の順に探っていくのがよいでしょう。就活の企業研究・業界研究の場合も同様に。
ためしに大学図書館OPACで「ユニクロ」で検索すると15冊本がヒットします。うち何冊かを読めば、創業から今日までの経緯はわかります。もう少し詳しくは、WebデータベースのMAGAZINEPLUSや大宅壮一文庫雑誌記事索引検索、日経BP記事検索サービスなどで雑誌記事を探ったり、新聞各紙のデータベースで関連記事を集めたり…。
ナイキは、ユニクロほどには大学図書館に本はないですが、
679:98 渡辺孝二『アメリカスポーツブランドのマーケティング戦略繊研新聞社、2002
679:35 ドナルド・カッツ『ジャスト・ドゥ・イット:ナイキ物語』早川書房、1996
「NII書誌検索」というのをたどっていけば
松田義幸『スポーツ・ブランド:ナイキは私たちをどう変えたのか?』中央公論社、2003
J.B.シュトラッサ―&L.ベックランド『スウッシュ:NIKE裏社史』祥伝社、1998
といった本が他大学の図書館にあることがわかります。送料を負担しなければならず、かつ図書館から持ち出し禁止ですが、取り寄せることは可能です。


>Aさん
O君・KさんとAさんの問題意識は共通してたと思いますが、店頭でモノの売れる仕組み、売り上げを増やすノウハウ、消費者の側から見れば、なぜその商品を選択するか等々に関しては、まぁOPACで「消費者行動」や「販売促進(販促)」で検索すれば、商学マーケティング論の領域で、何冊かヒットしてくるはず。


>Kさん
コーチングやチームのマネジメントに関して、スポーツ科学経営学の領域でいろいろあるんでしょうが、社会学部っぽいところでは
高井昌吏『女子マネージャーの誕生とメディア:スポーツ文化におけるジェンダー形成』ミネルヴァ書房、2005
がおススメ。


>Oさん
まぁ、斎藤環『世界が土曜の夜なら:ヤンキーと精神分析』2012、角川書店五十嵐太郎編『ヤンキー文化論序説』2009、河出書房新社難波功士『ヤンキー進化論』2009、光文社新書
それから倉敷のショッピングモールでの若者たちへのインタビューをもとにした
阿部真大『地方にこもる若者たち』朝日新書、2013
は参考になりそう。他に岡山をフィールドとした吉備国際大学の「轡田竜蔵」さんの論文とか(こういう場合は、Webデータベース「CiNii Articles」で論文検索!)。
それから以前にも言ったように、ジャルジャル主演・井筒和幸監督の『ヒーローショー』という映画は必見(映画のデキはともかく)。映画でのロケ地は千葉ですが、話のもとになっているのは岡山で実際に起こった事件です。Oさんの高校の先輩らが、対立するグループの人を拉致してボコボコにし、産廃処理場に生き埋めにしたという…


>Kさん・Oさん
ファッション全般だと、まず柏木博『ファッションの20世紀:都市・消費・性』日本放送出版協会、1998
あとブランド論みたいなのはやたらとあるんですが、ハイファッションやモードのブランドということならば山田登世子や深澤晃子で検索をかけてみましょう。
いろいろ出てくると思いますが一冊に絞るなら、山田登世子『ブランドの条件』岩波新書、2006
あと中野香織・三田村蕗子・戸矢理衣奈などで検索するといろいろ引っかかります。
一冊挙げるなら、ファストファッションのブランドまで視野に入れて論じている、中野香織『モードとエロスと資本』集英社新書、2010
化粧・美容関連ならば、石田かおり・鈴木由加里・米澤泉なのですが
山本桂子『お化粧しないは不良のはじまり』講談社、2006もおススメ。
もう少しストリートによったファッション論・ブランド論ならば、
南谷えり子・井伊あかり『東京・パリ・ニューヨーク ファッション都市』平凡社新書、2004
あとは山田桂子『東京ガールズコレクションの経済学』中公新書ラクレ、2011


>Mさん・Kさん
社会学からの演劇へのアプローチとしては、佐藤郁哉『現代演劇のフィールドワーク』東京大学出版会、1999
小劇団の社会学って感じの本です。それから大衆演劇の劇団でドサまわりした経験にもとづく
鵜飼正樹大衆演劇への旅:南条まさきの一年二ヵ月』未来社、1994
あとはやはり、「コンテンツビジネス」「コンテンツ産業」などで検索かけたり日経エンタテインメント、ぴあライブエンタテインメント白書を繰るとかでしょうか???
演劇の街・下北沢論なども、あってもよさそうなもんなんですけどねぇ。


>K君
「開発学」「国際開発学」などで検索してくしかないんだろうけど、まぁ
菊池京子編『開発学を学ぶ人のために』世界思想社、2001あたりから。国際学部などに、この方面に強い人がいそうな気がします。


>A君
橋本毅彦・栗山茂久『遅刻の誕生:近代日本における時間意識の形成』三元社、2001
という本があります。世の中にはいろんな本があるもので…。どれっくらいの時間なら待てるか(の国際比較)とか、ケータイの普及が待ち合わせのあり方をどう変えたか…みたいな本もどっかにあったような気がしますが、すぐには思い出せません。


>O君
「ステータスシンボル クルマ」とかで検索かけると、否定的な意見ばかりが出てきますけど…
むりやり参考図書を挙げると、マイク・フェザーストンほか『自動車と移動の社会学:オートモビリティーズ』法政大学出版局、2010


>K君
図書館にある本で関係しそうなのはロバート・B,チャルディーニ『影響力の武器:なぜ、人は動かされるのか』誠信書房、1991
スチュアート・ユーウェン『PR!:世論操作の社会史』法政大学出版局、2003
遠藤薫『間メディア社会と「世論」形成』東京電機大学出版局、2007など。
あと、おもしろいのは高木徹『ドキュメント戦争広告代理店』講談社、2005
多分この領域は、社会心理学系の先生が強いと思います。


>Kさん
斎藤孝的なコトを社会学でやってる人を、すぐには思いつきません…
図書館の本で言えば、かろうじて河合隼雄ほか『声の力:歌・語り・子ども』岩波書店、2002
「身体論」などで検索かけると、池井望・菊幸一『「からだ」の社会学:身体論から肉体論へ』世界思想社、2008
とか出てくるけど、ちょっと違うような。まぁ、斎藤孝を徹底的に読みましょう。


>Y君
日本での野球の普及に関しては、「アメリカへの憧れ」「マスメディアの力」ということで説明されることが多いともいます。
メディアとスポーツに関してはK君やY君のところで本紹介したような気がするので
平出隆『白球礼讃:ベースボールよ永遠に』岩波新書、1989
内田隆三『ベースボールの夢:アメリカ人は何をはじめたのか』岩波新書、2007
あと、読売巨人軍の生みの親の一代記、佐野眞一『巨怪伝:正力松太郎と影武者たちの一世紀』文藝春秋、1994
はおもしろいです。