60歳からの自分いじり

恥の多い生涯を送って来ましたが、何か?

高二病


今日から東京出張なので、ちょっと更新滞るかも。


で、脈絡なく、日曜に観た「桐島、部活やめるってよ
原作も読んだはずだが、すっかり忘れていた。
クヒオ大佐」を観て以来の吉田大八監督。
でも、TYOの吉田監督、とまだ思ってしまう。
市川準中島哲也大林宣彦…。まだまだいるんだろうけど
CMDr.出身の映画監督についても、いつか書いてみたい。
市川崑のCM作品集もあったような。
海外だと、アラン・パーカーだろうなぁ。
フェーム、バーディ、ザ・コミットメンツ
リドリー・スコットも、CM出身なんだけれど)


そういえば桐島も青春群像モノだった。
CMディレクター出身らしい、キャスティングのうまさ
細かなところでのキャッチィな絵づくり、セリフ回し
エピソードづくり…。でも、最後ガツンと
腑に落ちなかったのはなんでだろう。
クヒオ大佐の時もそうだった)
15秒、30秒でのフックのつけ方と、
103分引っぱっておいて最後に詰め切る強さとは、
何かが違うような気がする。う〜ん
やっぱり、アランパーカーは偉大だ。
バーディのオチ(それこそ落ち)も、
たいしたことではないかも、だが、それでもやはり
ちゃんとオチている(いや、桐島も一瞬屋上から…)。


あと、細かいところではなく…と言いながらなんだが
細部が気になってしまった。桐島、リベロなのか。
彼女があれだけ長身ならスパイカーだろう…とか
同様に、橋本愛のカレがあれで、
東出昌大のカノジョがあれという設定は…とか、
詩織、先輩の沢島をおちょくってるだけなのでは…
いまどき8ミリフィルムってのはやはりちょっと無理…


まぁ、とかなんとかいろいろ難癖つけているが
田舎の県立高校(高知ロケらしい)の空気感とか
高校二年のどうしようもない感じとか、
30数年前を思い出してしまった。
中二病がただただ勘違いの祭りの前(アンテ・フェストゥム)だとすれば、
大二病はポスト・フェストゥムへの予感・おののき・虚勢の時期。ならば
高二病は、イントラ・フェストゥム(祭りのさなか)なのだろう。
たしかに登場人物、それぞれてんでバラバラに祭りのさなか。
それに一人のれない宏樹…というのがメインテーマなのかなぁ。
でも、103分かけて、カッコいい兄ちゃんの憂鬱を言われても…
ナードの復讐、みたいなのか、やるなら仮面ライダーフォーゼとか。
荒唐無稽がリアリティを持ってしまうのが青春映画なのだと思う。
それだけ当事者も、回顧する者も、直視できなくてこその、高二のリアル。
いや、書いてて、我ながらなんだかよくわからなくなってきた。


ともかく、○○、就活やめたんだってよ
という大三・大四病はやめてほしい(ひどいオチ)。


増田明利『今日、ホームレスになった:平成大不況編』彩図社、2010