60歳からの自分いじり

恥の多い生涯を送って来ましたが、何か?

100本目。円卓


2014年、『GO』の行定勲監督作品。仁川(インチョンではない)がロケ地だったりします。
芦田愛菜が、同級生の吃音のぽっさん、親が離婚しそうなパクくん、難民のゴックんなど
ドラマチックなというか、平凡ではない境遇にあこがれるというお話。
しかし渦原琴子こと芦田愛菜の家も、狭い団地に3世代同居、姉は三つ子でさらに新たな…
と、なかなかないシチュエーション(たぶん3DKに8人住まい)。
狭いDKの真ん中には、中華料理店からもらってきた円卓、というのも平凡から遠く…。
鼠人間の森山開次、野次馬の浜村淳、リポーターのタージンなども見どころか。
朴くんのお母さん中村ゆりが、琴子のお母さん羽野晶紀と好対照な感じ。
多様性を多様性のまま受け容れて、ずんずん突き進む琴子が、なんかカッコいい。
終戦記念日には、円卓が日の丸に代わるシーンもあります。 
「日本春歌考」「無理心中・日本の夏」にて黒い日の丸をモチーフとした、大島渚へのオマージュ?


大島渚といえば、大島組に所属していた
「●朴寿南(パク・スナム)(一九三五〜)は後に映像ドキュメンタリーにも進出し、八六年『もうひとつのヒロシマ アリランのうた』、九一年『アリランのうた オキナワからの証言』などを撮る」(大島渚大島渚1968』青土社、2004、165p)
とのこと。朴寿南は獄中の李珍宇と書簡を交わしたことでも知られる…。
まだ観れていない映像作品は山ほどあるのですが、最初100本決めた時からでも
・「はだしのゲン:第三部ヒロシマの戦い」(1980)山田典吾(財津一郎が戦後の朴さんを)
をDVDで
・「朝鮮の子」(1955)
・「歴史を繰り返してはならない」(2003)
をネットで。
またドキュメンタリー番組で言えば
・「アリラン特攻兵:日本と朝鮮半島の狭間で」(2008、日本テレビ
・「悲劇の島チェジュ(済州)[4.3事件]在日コリアンの記憶」(2008、NHK李鳳宇さん出演)
・「おきなわ 戦場のうた:元“慰安婦”の胸痛む現実と歴史」(2014、琉球放送
などもネットで視聴可能。
アリラン特攻兵といえば、「ホタル」(2001)「俺は、君のためにこそ死ににいく」(2007)などや
あとジョニー大倉朝鮮人軍属を演じた「戦場のメリークリスマス」(大島渚、1983)も加えるべきでした。


さらに、大島渚がらみで。
「一時期、創造社も、来るものは拒まずみたいな感じで若い俳優さんをかかえてたことがあった。そのなかにNHKの「ブーフーウー」でオオカミの声をやった永山一夫というのがいるんです。彼は朝鮮人で、北へ帰ったんだな。あのとき彼を止めなかったのは、ぼくにとって永遠の間違いであったという悔恨がある。ぼくは、北に帰るのはアホやなあとは思ってたけど、絶対にやめとけと止めるほどの強固な意志はなかったんで」
「●「ブーフーウー」は「おかあさんといっしょ」の枠で六〇年から六七年まで放映。永山一夫(一九三五〜、朝鮮名コン・ビュンスン)は東映ヤクザ映画などで活躍後、七一年、最後の帰国船で家族とともに北朝鮮に渡った」(大島渚大島渚1968』青土社、2004、167〜8p)


それから「境界を越える道:コリア国際学園の挑戦」(2013、関西テレビ)なんてドキュメンタリー番組もありました。
ただし、四方田犬彦『アジアのなかの日本映画』(岩波書店、2001年)にて在日コリアン表象の例として挙げられている
マルサの女」(1987、伊丹十三)に関しては、伊東四郎の演じるパチンコ店経営者がそうなのかなぁとは思うものの
確証は得られず。まぁ、もう少し文献・映像資料を掘って、このテーマでまとめてみようと思います。
というか、しなければならない…。まぁ、ぼつぼつと。木村充揮「継続は力」(2006)!


明日からは、またタイトル変えて、別のテーマで〜。


今日は面談2件ほど。いよいよ新学期だぁ〜